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スラッシュ・リーディングの落とし穴

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On 1月 19, 2021, Posted by , In 学習法, With スラッシュ・リーディングの落とし穴 はコメントを受け付けていません

2021年1月19日

I think this is a good occasion for our organization to really show our best customers that we value them.

      (出典:英検準2級文で覚える単熟語 旺文社より抜粋)

先日、この英文をある生徒さんが和訳しようとしていました。

当塾ではスラッシュ・リーディングの手法を用いて英文解釈を進めていますが、その生徒さんはこんな風に和訳していました。

I think / this is a good occasion / for our organization / to really show our best customers / that we value them.

『私は思います / これはよい機会である/ 私たちの組織にとって / 私たちのお得意様に本当に見せる / 私たちが彼らを大切に思っている』

決して、間違っているというわけではないのです。1つ1つのフレーズはそれなりに正しく和訳できているのです。

それでもなお、『?』と私が思ったのは、1つ1つのフレーズは訳せても、互いの相互の関係は理解できているのかな?と感じたからです。

そこで私は次のように説明しました・・・

『私は思います(何て思ったのかな?)/ これはよい機会であると(どんな機会かな?)/私たちのお得意様に本当に見せるための(何を見せるの?)/私たちが彼らのことを大切に思っていることを。』

ここまで和訳すると、彼はto really show the best customers ~~は、a good occasion にかかる(当塾ではこれを化粧すると呼んでいます)こと、またshowは2つの目的語(当塾では脇役と呼んでいます)を取っていて、our best customersが1つ目の目的語で、that節以下が2つ目の目的語であることを、理解したのでした。

つまり、何が言いたいかと言いますと、スラッシュ・リーディングのコツは、フレーズごとの意味が、仮に正確に取れても、フレーズ相互の関係がしっかりと理解できていないと、単なる形だけのスラッシュ・リーディングになってしまいやすいということです。

では、これを防ぐにはどうしたらいいでしょうか?

それには、スラッシュまでの意味を理解し、次のフレーズに進む前に、『自然と湧きあがる疑問』を持つことです。

英文は、後ろに置かれている語句は、前の語句を『補完』『補助』しています。つまり、後ろに行けばいくほど、詳しい情報が手に入るわけです。逆に後ろの語句がなければ、読む側は困ってしまうわけです。

ということは、英文を読むという作業は、前から語順通りに読みながら、後ろの語句が、その手前までの文の流れに対して、どんな『補完』『補助』となっているのかを意識しながら読む、ということなのです。

そして、そのためにはスラッシュまで和訳したら、その時点で『自然と湧きあがる疑問』を持ちながら、後ろのフレーズを読むことなのです。

ここまで書いてきて、しみじみ思いました。

要するに、英語は語と語の関係性に尽きるなぁと。語と語の関係性は、文と文の関係性へ、そして更には段落と段落の関係性へと発展していくのだと。

語と語の関係性を見抜けた人は、その文を理解することができるし、文と文の関係性を見抜けた人は、その段落を理解することが可能になるのです。そして段落と段落の関係性を見抜けた人は、その文章全体を理解することが可能になるのです。

一言で言えば、英語とは『関係性』の言語だということです。

このことは、英語を学んでいく際に避けては通れないものだと感じています。

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