2020年11月7日 訳読と速読の関係
訳読などやっているから、日本の英語教育は遅々として進まないのだ・・・と、世間では言われています。
しかし、過去のブログでも書きましたが、外国に留学したお子さんを持つ方の意見にもあるように、それは全くの誤解です。ただ、和訳したままで終わってしまうのがよくないだけなのです。
例えば、ある英文を音読していって、思わず中断することがありますよね?区切り方が分からない。上手く構文が取れない・・・という箇所に遭遇することはよくあることです。
あるいは、解釈に自信が持てない語彙が多すぎて、読み進められないと感じることだってあります。
そのような時は訳読に一度戻るしかありません。一旦立ち止まって何度も読み返し、辞書を引き、日本語でどんな意味になるのかをじっくりと考えることが大切です。
訳読とは、こういう時に英語の理解を助けてくれるものなのです。
そして、これはあくまでも手段であって、目的、ゴールではありません。
そうやって、じっくりと時間をかけて読み込んだ文章を、次は音読を繰り返しながら、最終的には日本語を介さずとも英語のままスラスラと読めるようにまで、自分の力を高めることが何よりも大切になるのです。
かつて、駿台予備校の名物英語教師だった清水かつぞー氏は、この『スラスラ感』の獲得こそが英語学習の最終目標だと語っています。彼はかの有名な国弘正雄先生(日本を代表する同時英語通訳者)のお弟子さんでもありました。
つまり、最初は訳読でもいい、多少時間がかかってもいい、とにかくあらゆるものを総動員して英文を完璧に理解していく。そして次はそれを英語のまま直読直解できるまで音読を継続することなのです。
こういった長文を少なくとも30本、いや100本は作ることです。