長文を深く正確に読むためのアドバイス(1)
よくこういう声を聞きます:「1文1文はなんとか分かるんですけど、読んでいる内に前に書いてあったことを忘れちゃうんですよね~・・・」
このような経験は、おそらく長文を読む人なら、だれでも一度は経験するのではないでしょうか?
でも、これがもし日本語だったら、おそらくこんなことにはならないでしょうね?ところが、こと英語になると、こういった現象に陥ってしまうのです。
■ では、一体それは何故なのでしょう??
それは、文と文のつながりを意識せずに読んでいるからなのです。皆さん、そもそも英語は関係性の言語なのです。(ちょっと難しかったかな・・・)
例えば、単語について考えてみましょう。文中に登場するある英単語の意味は、前後の文脈によって決定されます。
例を挙げてみましょう・・・
termという単語を皆さんは知っていますか?
これをspring termとして使ったら、「春学期」の意味になります。
しかし、これをtechnical termとして使ったら「専門用語」という意味になるのです。つまり、termには「学期、期間」という意味もあるし、「言葉、用語」という意味もあるのです。
つまり単語の意味を決定するのは、その語が置かれている文脈なのです。
※実際のところ、単語の意味を決定するのが不得意な人が多いように感じます。辞書を引いて、最初に登場してくる意味を何でもかんでも使ってしまう・・という人がいます。そういう人は、是非とも前後関係を読むことを常に意識してくださいね。
■ さて、これは文についても言えます。
すなわち、1つの文は他の文と密接な関係にあり、お互いが相互に関連しあっています。
例を挙げましょう・・・
(A)「天気予報では明日は雨だ」
According to the weather forecast, it will be rainy tomorrow.
(B)「体育祭は延期だ」
Our sports festival will be put off.
もし、このような2つの英文が連続していたとしましょう。
その場合、これを読む皆さんは当然次のように考えますよね?
(A):(原因) ➡(B):(結果)
もちろん、この2つの英文の間にSo(だから)とかTherefore(それゆえに)などのつなぎの言葉があれば、誰にも分かりやすいです。
しかし、実際の長文を読んでいくと、そういうつなぎの言葉などが全くないことが多々あるのです。
しかし、たとえつなぎの言葉がなかったとしても、連続する2つの英文は、ほとんどの場合、何らかの関係で結ばれているのです。
皆さん、このような連続する2つの英文の関係(または論理関係)を意識しながら読むことが、長文を読んでいく上での大きなステップとなるのです。
■ 皆さんは、今まで1つの英文の構造分析に力を注いで来られた人もいるかもしれません。それはもちろん英文を読む上でものすごく大切なことです。
しかし、今お伝えしたような文と文の相関関係を意識することは、この構造分析のレベルの読みから、更に皆さんが飛躍するための第1歩なのです!
1文の構造分析がある程度できるようになったら、次のステップは文と文の関係を見抜く力を養うことなのです。(この見抜く力を次は段落へと応用させていくことが大切です。これはまた後日に・・・)